Shopifyを使った越境ECに興味はあるものの、何から始めればいいのか分からず足踏みしている方も多いのではないでしょうか。
言語や通貨、決済方法の違いなど、海外販売には国内とは異なる知識が求められます。
本記事では、Shopifyが越境ECに向いている理由から具体的な設定手順、費用感、成功事例まで、解説していきます。
読み終えた頃には、越境ECへの第一歩を踏み出す準備が整うように構成していますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
越境ECとは?Shopifyが選ばれる理由

越境ECを始める前に、まずは基本的な仕組みと市場動向を押さえておくことが大切です。
ここでは越境ECの定義や最新データ、Shopifyが多くの事業者から選ばれる理由、そして導入前に知っておきたい注意点を順番に確認していきましょう。
越境ECの基本知識と2026年最新の市場動向
越境ECとは、国境を越えて消費者に商品やサービスをオンラインで販売する取引形態のことです。
日本において越境ECは規模の拡大から、もはや一部の大企業だけのものではなく、小規模事業者でも十分に挑戦できる成長市場となりつつあります。
経済産業省が2025年8月に発表した『令和6年度電子商取引に関する市場調査』でも、越境EC市場の拡大が確認できます。
この調査によると、下図の通り2024年における日本事業者から中国消費者による越境EC購入額は2兆6,372億円(前年比8.5%増)、米国消費者による越境EC購入額は1兆5,978億円(前年比8.0%増)と、いずれも前年から増加しています。

同年の国内のBtoC-EC市場規模が26.1兆円(前年比5.1%増)に比べると、海外市場にはまだ大きな伸びしろが残されていると言えるでしょう。
参照:経済産業省・令和6年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました
また、Expert Market Research調査によると、2026年の世界の越境B2C・EC市場規模は1.53兆USドル(約245兆円/1USドル160円換算)と推計されています。
同調査によると下表の通り、この数字は単なる通過点に過ぎず、2026年から2035年にかけて年平均成長率約23.1%で拡大し続けると予測されているのです。

出典:Expert Market Research・越境B2C電子商取引市場の規模と見通し(2026-2035)
これらのデータからも、越境EC市場は国内外で継続的に拡大していることがわかります。
近年、日本製品への人気を目の当たりにするニュースも多く、この越境ECのトレンドに乗った海外需要の大きな拡大が見込まれます。
Shopifyが越境ECに向いている6つの理由
Shopifyを活用すれば、大手企業だけでなく、小規模事業者や個人事業主でも越境ECを始めやすくなります。
Shopifyが越境ECに向いている最大の理由は、多言語・多通貨対応をはじめとした海外販売に必要な機能が標準で搭載されている点にあります。
他のプラットフォームでは追加開発が必要になる機能も、Shopifyでは初期段階から利用できるため、開発コストを抑えながらスピーディーに海外展開を始められるのです。
具体的な理由を整理すると、以下の6点が挙げられます。
- 多言語対応:50以上の言語に対応し、無料アプリで簡単に多言語化できる
- 多通貨対応:130以上の通貨に対応し、現地価格での表示が可能
- Shopify Markets:国・地域ごとの販売設定を一元管理できる機能を搭載
- 決済方法の豊富さ:現地で普及している決済サービスと連携しやすい
- 関税・税金の自動計算:購入時に関税や税金を見積もり、トラブルを未然に防げる
- 拡張性の高さ:小規模から始めて事業成長に応じてプランを変更できる
これらの機能は、越境ECの現場で発生しやすい「言葉の壁」「価格表示の分かりにくさ」「決済トラブル」といった課題をあらかじめ解消してくれる仕組みです。
Shopifyは多言語・多通貨や地域別の販売設定など、海外販売に必要な機能を備えています。そのため、越境ECを見据えたサイトを構築しやすい点が特徴です。
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導入前に知っておくべき注意点・デメリット
Shopifyは越境ECに便利なツールですが、導入するだけで自動的に売上が伸びるわけではない点には注意が必要です。
プラットフォームが優れていても、集客や現地対応まで自動化してくれるわけではありません。主な注意点は次の3つです。
- 集客は自力で行う必要がある:Shopifyは販売の土台を整えてくれますが、SNS広告や検索広告、現地インフルエンサーとの連携といった集客活動は事業者自身が設計しなければなりません。
- アプリ追加で月額コストが積み重なる:翻訳アプリや配送アプリを追加するたびに費用が増え、便利な機能を追加するほど当初の想定より運営費がかさむケースは少なくありません。
- 各国の法規制への対応が必要:関税制度や消費者保護法、個人情報保護規制は国によって異なるため、専門知識のないまま進めると思わぬトラブルに発展する恐れがあります。
こうしたデメリットを理解したうえで、対象国のリサーチや専門家への相談を計画に組み込んでおけば、導入後に慌てることなく事業を軌道に乗せられるでしょう。
Shopifyで越境ECを始める設定手順3STEP

Shopifyでの越境EC構築は、大まかに以下の3つのステップで進めることができます。
- マーケット・言語・通貨を設定する
- 決済方法と国際配送・関税を設定する
- 多言語対応のサポート体制を整える
ここでは、マーケット設定から決済・配送、多言語対応の体制づくりまで、実際の管理画面での作業をイメージしながら見ていきましょう。
STEP1|マーケット・言語・通貨を設定する
越境ECの第一歩は、販売対象となる国や地域を「Shopify Markets」で設定することから始まります。
この機能を使えば、国ごとに異なる言語や通貨、価格設定を一つの管理画面でまとめて管理できるため、複数国への同時展開もスムーズに行えるのです。
まず販売対象となる国・地域を決め、それに合わせて言語や通貨を設定します。対象市場を先に明確にしておくことで、その後の翻訳や価格、配送などの設定を進めやすくなります。
最初にターゲット市場を明確にし、それに合わせて言語と通貨を設定しておくことで、以降の作業を効率的に進められます。
具体的には、管理画面の「設定」から「マーケット」を選び、販売したい国を追加したうえで、公式アプリ「Translate & Adapt」を使って商品説明やサイト文言を翻訳します。
手動翻訳と自動翻訳のどちらにも対応しているため、重要なページは手動で丁寧に仕上げ、それ以外は自動翻訳で効率化するという使い分けも可能です。
通貨についても、顧客の位置情報に応じて自動的に現地通貨で価格を表示する設定ができ、購入時の不安を減らす効果が期待できます。
STEP2|決済方法と国際配送・関税を設定する
決済と配送の設定は、越境ECにおける購入完了率を大きく左右する重要な工程です。
現地で使われていない決済方法しか用意できていないと、せっかく商品をカートに入れても購入をあきらめられてしまう可能性があります。
このため、対象国で普及している決済サービスをリサーチし、Shopifyペイメントに加えて現地の主要な決済手段を導入することが求められます。
配送に関しても、国際配送サービスと連携するアプリを活用すれば、配送料の自動計算や追跡番号の発行までを一元管理できます。
特に注意したいのが関税の扱いです。
Shopifyには関税と税金を購入時に自動見積もりする機能があり、これを有効にしておくことで、商品到着後に想定外の追加請求が発生するトラブルを防げます。
配送スピードやコストは配送先の地域によって大きく異なるため、複数の配送事業者を比較しながら、価格と品質のバランスが取れたサービスを選ぶとよいでしょう。
STEP3|多言語対応のサポート体制を整える
海外販売では、購入後の問い合わせ対応も現地の言語で行える体制を整えておくことが欠かせません。
せっかく多言語のサイトを作っても、購入後のサポートが日本語のみでは、顧客の不満につながりやすくなってしまいます。
その背景には、越境ECの顧客が抱える言語の壁への不安があります。
商品到着までの期間が長く、配送トラブルが起きやすい海外販売において、問い合わせにスムーズに対応できるかどうかは信頼構築の分かれ道です。
具体的な対策としては、次のような方法があります。
- チャットボットアプリを導入し、基本的な質問に自動応答させる
- 外部の翻訳サービスと連携し、主要言語でのメール対応を可能にする
- よくある質問(FAQ)ページを主要な販売言語で用意し、問い合わせ自体を減らす
サポート体制は一度作ったら終わりではなく、実際の問い合わせ内容を分析しながら改善を続けることが、長期的な顧客満足度の向上につながるのです。
Shopifyサイトを自分で構築する手順につきましては、下記サイトで詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
参照:【2026年最新】Shopifyサイトを自分で構築する手順|作り方・初期設定・公開までのロードマップ
Shopify越境ECにかかる費用とおすすめアプリ

Shopifyで越境ECを始める際、多くの方が気になるのが実際にかかる費用ではないでしょうか。
ここでは、プランごとの料金、越境ECに役立つアプリ、そしてコストを抑えるための工夫について解説します。
プラン別の月額料金と決済手数料の内訳
Shopifyの料金プランは、事業規模や必要な機能に応じて選べるようになっています。
主要プランの料金を下表にまとめましたので、ご確認ください。
Shopify主要プラン料金表
| プラン | 月払い | 年払い | 決済手数料 |
|---|---|---|---|
| Basic | 4,850円/月 | 3,650円/月 | 3.55% |
| Grow | 13,500円/月 | 10,100円/月 | 3.4% |
| Advanced | 58,500円/月 | 44,000円/月 | 3.25% |
| Plus | 368,000円/月 | 要問い合わせ | 2.9%〜 |
※決済手数料は国内カードの場合
このように、月額料金だけを見ればBasicプランでも4,850円から始められる手軽さが魅力です。
ただし実際の運営コストは、決済手数料に加えて下記のようなコストが加わることを踏まえておく必要があります。
- 海外カード利用時の手数料(3.8〜3.9%程度)
- 翻訳・配送アプリの利用料
- 関税や国際配送費用
プランが上がるほど決済手数料率は下がる仕組みになっているため、売上規模が大きくなってきた段階でプラン変更を検討するのが合理的な選択といえるでしょう。
Shopifyの料金プランについては、下記の記事でさらに詳しく解説していますのでご参照ください。
参照:Shopifyの料金はいくら?料金プラン・決済手数料・その他の費用をまとめて解説
今ならShopifyを3日間無料でお試しできるだけでなく、その後継続しても3ヶ月間は月額たった150円で利用できます。
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翻訳・配送・通貨変換に役立つおすすめアプリ
Shopifyの標準機能だけでも越境ECは始められますが、アプリを活用することで運営の手間を大幅に減らせます。
特に効果を実感しやすいのが、翻訳・配送・通貨変換に関するアプリです。
代表的なアプリには、以下のようなものがあります。
- Translate & Adapt:Shopify公式の無料翻訳アプリで、手動・自動の両方の翻訳に対応している
- Hextom:Translate & Currency:130以上の言語・180以上の通貨に対応し、細かなカスタマイズが可能
- Best Currency Converter:訪問者の位置情報に応じて自動で現地通貨が表示可能
- Ship&co:配送料の自動計算や追跡番号の管理をまとめて行える
これらのアプリを組み合わせることで、言語や通貨の壁を大きく下げられます。
ただし、アプリごとに無料プランと有料プランが分かれていることが多いため、まずは無料プランで機能を試し、事業の成長に合わせて有料プランへ移行する進め方がいいでしょう。
コストを抑えながら始めるためのコツ
越境ECのコストを抑えるためには、最初から高機能なプランやアプリを揃えるのではなく、必要最小限の構成でスタートし、需要が見えてきた段階で拡張していく姿勢が重要になります。
越境ECは、国や地域によって実際の需要を事前に予測しにくいため、まずは小規模に始めて市場の反応を確かめる方法が有効です。
まずはBasicプランと無料の翻訳・通貨アプリで小規模にテストマーケティングを行い、実際の注文データやアクセス状況を確認しながら、手応えのある市場に絞って投資を強化していく方法が現実的です。
また、年払いを選択すれば月払いよりも月額料金を抑えられるため、事業の継続が見込める段階では年払いへの切り替えも検討する価値があります。
無理に初期投資を膨らませず、データに基づいて着実にコストをかけていくことが、長期的な事業運営の安定につながります。
Shopify越境ECの成功事例とよくある失敗

実際にShopifyを使って越境ECを成功させている企業は少なくありませんが、思うような結果が出せずに苦戦するケースも見られます。
ここでは、Shopifyを利用してこれから越境ECを始める方のために、成功のポイントと失敗の傾向、その対策を具体的に解説します。
Shopifyを活用した越境EC成功事例
Shopifyを使った越境ECに成功している企業に共通しているのは、単に商品を販売するだけでなく、日本文化の紹介や海外の顧客とのつながりを重視している点です。
ここでは、その顕著な例として2社を紹介します。
けん玉の世界コミュニティを築いたGLOKEN

けん玉ブランドのGLOKENは、国内ではブームが過ぎたように見える一方、海外では熱心なファン層に支持され続けています。
GLOKENは、けん玉ワールドカップの開催などを通じて、海外のけん玉ファンとのコミュニティ形成にも取り組んでいます。
イベント開催によってブランド認知度が高まり、ファンの心をつかむ独自の取り組みがサイト全体の信頼性やロイヤルティの向上に結びついているのです。
日本のお弁当文化を世界へ広げた「BENTO&CO」

「BENTO&CO」は京都から日本の弁当に特化した商品を世界へ販売している越境ECブランドです。
BPAフリー素材へのこだわりや品質重視の厳選商品構成により、海外顧客からの信頼を獲得しています。
日本の食文化を丁寧に伝える姿勢が、海外での支持につながっています。
チェックアウト時にはEU向けVATを自動計算し、米国向けには関税が別途発生する旨を事前に明示するなど、価格の透明性を重視した設計になっている点も特徴です。
成功事例に見る共通点
このように、Shopifyという土台の上に、現地のファンとつながる仕組みを構築できるかどうかが、越境ECにおける成功の分かれ道になっているといえます。
単純な多言語化・多通貨化にとどまらず、現地の文化や嗜好を理解した上でのブランディングが、成果につながっている好事例ですので、ぜひ参考にしてください。
越境ECで陥りやすい失敗パターン
越境ECでは、次のような失敗パターンに陥りやすいです。
- 日本国内と同じ売り方・商習慣をそのまま持ち込む:国が違えば消費者の購買行動や決済感覚も大きく異なります。日本では当たり前の代金引換やコンビニ決済が主流の国もあれば、クレジットカード決済がほとんど使われない国もあります。現地事情を無視して日本流の決済方法だけを用意すると、購入直前で離脱されやすくなります。
- 為替リスクの管理不足:為替レートの変動を考慮せずに価格設定を行うと、想定していた利益が確保できなくなることがあります。
- 関税や送料の透明性が低い:配達時の追加請求によって顧客の不満を招きやすく、リピート購入につながりにくい傾向があります。
失敗を防ぐための具体的な対策
こうした失敗を防ぐためには、事前のリサーチと運用体制の整備を徹底することが何よりも重要です。具体的には、次の対策を進めましょう。
- 現地の決済・物流事情を調査する:ターゲット国で受け入れられている決済方法を優先的に導入する
- 為替リスクへの対応体制を整える:定期的に価格設定を見直し、大きな為替変動があった際にすぐ対応できるようにする
- 関税・送料を購入前に明示する:顧客がトータルコストを事前に把握できるようにし、配達時のトラブルを減らす
- 専門家への相談も検討する:法務や税務の知識が不足している場合は、越境EC支援会社や専門家への一部業務委託を検討する
適切な体制を整えたうえでビジネスを開始すれば、越境EC特有のリスクを最小限に抑えながら事業を成長させていくことができます。
まとめ│Shopifyで越境ECを始めよう
Shopifyは、多言語・多通貨対応をはじめとした越境ECに必要な機能が標準で備わっており、個人事業主や中小企業でも無理なく海外販売にチャレンジできるプラットフォームです。
経済産業省のデータが示すように、日本製品への海外需要は着実に拡大を続けており、今が越境ECに取り組む好機といえます。
マーケット設定から決済・配送、多言語サポートまでを段階的に整え、費用面ではプランやアプリを賢く選びながら、現地の文化や商習慣を尊重した運営を心がけることが成功への近道です。
まずは小さな一歩から、Shopifyでの越境ECを始めてみましょう。
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