Shopifyを多言語化する方法|おすすめ翻訳アプリも比較

Shopifyを多言語化する方法|おすすめ翻訳アプリも比較

Shopifyは、標準の多言語管理機能と無料の「Shopify Translate & Adapt」を使って多言語化できます。すべてのストアに有料の翻訳アプリが必要なわけではありません。

一方で、複数言語への展開、新商品の継続的な翻訳、DeepLの利用、用語の統一、アプリが表示する文言への対応などを重視する場合は、外部アプリを検討する価値があります。

大切なのは、アプリを選ぶ前に「誰に、どの商品を、何言語で販売するか」「公開後に誰が翻訳を更新するか」を決めることです。

この記事では、Shopify標準でできることから、Translate & Adapt・LangShop・Weglot・Interlingueの違い、大量商品の翻訳、多言語SEO、公開前の確認項目まで解説します。

料金・仕様は2026年9月19日時点の公式公開情報に基づきます。

Shopifyは標準機能と無料アプリでも多言語化できる

標準機能・Markets・翻訳アプリの役割

Shopifyの多言語化は、言語を追加すること、翻訳を用意すること、販売地域に適した内容を表示することに分けて考えると理解しやすくなります。

機能 主な役割 注意点
Shopify標準の言語・翻訳管理 言語の追加・公開、翻訳データの保存、翻訳CSVの入出力 言語を追加しただけでは、独自の商品説明などの翻訳は完成しない
Shopify Markets 販売先の国・地域に応じた言語、ドメイン、通貨、商品などの設定 Markets自体がすべての文章を翻訳するわけではない。利用できる設定は契約条件等で異なる
Translate & Adapt Shopify公式の無料アプリ。自動翻訳、手動編集、地域に合わせたコンテンツ調整 自動翻訳できるのは最大2言語
外部翻訳アプリ 翻訳サービスの選択、用語集、同期、専用の翻訳管理など 対応範囲・保存方式・料金体系がアプリごとに異なる

Shopifyの公開言語数は、Basic・Grow・Shopify・Advancedプランでは最大20言語、Shopify Plus・Enterprise Commerceでは最大30言語と案内されています。これは、Translate & Adaptの自動翻訳上限とは別の制約です。

翻訳済みの文章を用意できる場合は、標準の翻訳CSVを使って取り込む方法もあります。有料アプリを導入しなくても、対応するコンテンツを翻訳できます。

Translate & Adaptで十分なケース

次の条件に当てはまる場合は、まずTranslate & Adaptを検討できます。

  • 英語など、1〜2言語への自動翻訳から始めたい
  • 商品・コレクション・ページ・テーマなど、Shopify標準の項目が中心である
  • 新商品追加や文章変更に合わせて、担当者が翻訳を実行・確認できる
  • 特定の翻訳エンジンや専用の用語集が必須ではない

商品数が多いだけで、すぐに有料アプリが必要になるとは限りません。毎月の追加・更新件数と、担当者が確認に使える時間も含めて判断しましょう。

商品以外も確認したいShopifyの翻訳対象

商品説明を英語にするだけでは、購入者が迷わず注文できる状態にはなりません。商品を探すところから、注文後のメールまで確認が必要です。

次の表の「標準での対応」は、Shopifyの翻訳可能なデータとして扱える範囲を示します。すべてが自動翻訳されるという意味ではありません。

翻訳対象 標準機能・Translate & Adaptでの対応 追加で確認する点
商品名・商品説明 翻訳対象 固有名詞、素材、寸法、HTML内の文章、画像内の文字
商品オプション・バリエーション 「色」「サイズ」などのオプション名と値を翻訳できる SKUや在庫などの管理情報は翻訳とは別。表示名がテーマやアプリに依存する場合もある
コレクション 名称・説明などを翻訳できる 商品一覧の見出しや絞り込み表示も確認する
固定ページ・ブログ ページ、ブログ、記事の対応項目を翻訳できる 本文中のリンク先、画像、地域限定の案内
ナビゲーション メニューの表示名などを翻訳できる ヘッダー・フッター双方の表示とリンク先
テーマ・ボタン テーマが翻訳用に公開する文言や設定が対象 コードに直接書いた文章や独自セクションは別対応になる場合がある
通知メール 対応する通知の翻訳を編集できる 注文確認・発送通知などを実際の注文言語で確認する
Checkout 対応言語の標準訳があり、閲覧言語に応じて表示される 独自文言、決済方法の案内、Checkout内アプリは個別確認
SEO title・meta description カスタマイズしたSEO項目を翻訳できる 初期設定の商品SEO項目は翻訳済みの商品名・説明を使用。検索結果を想定して確認する
URL 言語別URLを作成でき、対応するURLハンドルも翻訳できる 言語別URLの作成とハンドル翻訳は別。「products」などの固定部分は変更できない
メタフィールド 翻訳対応の型・項目は対象になる すべての型が対象ではない。参照先データやテーマでの表示方法も確認する
アプリが生成するテキスト アプリがShopifyの翻訳機能に対応している範囲で扱える 非対応の場合はアプリ独自の言語設定、対応翻訳アプリ、個別実装などを検討する

商品タグは標準の翻訳対象ではありません。タグをそのまま購入者向けの表示に使っている場合は、表示方法の見直しも必要です。

また、メタフィールドが翻訳画面の検索に出てこないことと、翻訳できないことは同じではありません。型、翻訳CSV、実際の表示を確認して判断します。

Translate & Adaptでできることと制限

無料の自動翻訳は最大2言語

Translate & Adaptは、Shopify公式の無料翻訳アプリです。商品やコレクション、ページ、ブログ、テーマなどの対応コンテンツを自動翻訳し、原文と訳文を見比べながら修正できます。

自動翻訳は最大2言語ですが、手動翻訳はその2言語だけに限定されません。ストアで公開できる言語数の範囲で、追加言語の翻訳を用意できます。

自動翻訳に使用した言語を削除しても、その枠を別の言語に交換できるわけではありません。対応する言語は最初に決めておきましょう。

公式案内には商品数による上限が明記されていませんが、大量商品では処理時間や確認作業も考慮する必要があります。

ポリシーやURLハンドルなど、自動翻訳の対象外となる項目もあります。手動での入力・確認が必要です。商品画像内の文字や、Shopifyの翻訳機能に対応していないアプリの文言まで自動で置き換わるとは考えないようにしましょう。

新商品や原文の更新後は再確認が必要

Translate & Adaptは、商品を追加すれば常に自動で翻訳が完了する仕組みではありません。新商品や変更した文章について、対象言語ごとに自動翻訳を再実行します。

自動翻訳の再実行では、未翻訳の文章や、原文の変更によって古くなった自動翻訳が処理されます。一方、手動で編集した翻訳は保護されるため、原文の変更を担当者が確認する必要があります。

例えば、日本語の商品説明で素材を変更しても、手動修正済みの英語が自動で追従するとは限りません。「原文の変更」と「訳文の確認」をセットの作業にしておくことが大切です。

なお、言語切替ボタンはテーマ側などで用意します。Translate & Adaptを導入する作業と、購入者が言語を切り替えられるようにする作業は分けて確認してください。

外部翻訳アプリを検討したいケース

外部アプリの価値は、翻訳できる項目だけでなく、日々の作業をどれだけ減らせるかにあります。

運用上の課題 比較する機能
3言語以上を自動翻訳したい 契約プランの翻訳言語数と利用枠
毎週・毎月、多くの商品を追加する 新商品翻訳の同期条件、上限、実行タイミング
DeepLやOpenAI等を利用したい 対応サービス、必要プラン、API契約・追加費用
ブランド名や専門用語を統一したい 用語集、翻訳除外、文脈の指定、手動修正の保護
レビュー・定期購入などの表示が残る 利用中アプリとの互換性、動的な表示への対応
大量のメタフィールドを管理している 対象型、検索・絞り込み、一括編集、更新検知
複数担当者で確認したい 編集画面、担当者権限、確認手順、データ出力

「自動同期あり」という表記だけでは、新商品の追加と、既存商品の文章変更の両方が同じように処理されるかは分かりません。手動で直した訳文の扱いも含めて確認しましょう。

Shopifyのおすすめ翻訳アプリ4つを比較

料金・言語数・商品数の比較

料金は月払いの米ドル表記です。Shopify本体の利用料金は別で、年払い、税、外部サービスの利用料などによって支払額が変わります。

サービス 無料利用・主な月額料金 言語数・翻訳量の考え方 日本語対応
Translate & Adapt 無料 自動翻訳は2言語。手動翻訳はShopifyの公開言語上限内。商品数上限の明記なし 日本語の管理画面に対応
LangShop 無料プランあり。有料は月額10米ドルから 無料は追加1言語・50商品。有料もプラン別に言語数・AI翻訳の商品数が異なる 日本語UIあり。サポートの対応言語は契約前に確認
Weglot 無料プランあり。Starter 17米ドル、Business 32米ドル、Pro 87米ドル 無料は1言語・2,000単語。Starterは1言語・10,000単語、Businessは3言語・50,000単語、Proは5言語・200,000単語 日本語への翻訳に対応。App Store掲載の管理画面言語は英語
Interlingue 月額9米ドル。7日間の無料試用あり 商品数・翻訳先言語数の利用条件は導入前に確認 日本語UIあり。日本語サポートの受付条件は契約前に確認

アプリストアの「言語」欄は、管理画面の対応言語を示している場合があります。翻訳できる言語数や、契約プランで使える言語数とは分けて読んでください。

Weglotの翻訳単語数は、複数言語に翻訳した分を合計して管理します。毎月リセットされる翻訳文字数とは異なります。商品説明だけでなく、ページやブログなども見積もりに含めましょう。

翻訳範囲と運用機能の比較

対応する機能に加えて、必要な契約プランや利用中のテーマ・アプリとの組み合わせを比較しましょう。

項目 Translate & Adapt LangShop Weglot Interlingue
自動翻訳・AI翻訳 Shopify提供の自動翻訳 AI翻訳。外部サービス連携はプラン条件あり 機械翻訳とAIによる調整機能。利用条件あり Google Translate・DeepLに対応
DeepL 翻訳サービスの指定を前提としない DeepL Pro連携はStandard以上 翻訳エンジンの一つ。言語ペア等に応じて選択される 対応
手動修正 対応 対応。無料プランには制約あり 一覧・ビジュアル編集画面で対応 対応
商品・テーマ Shopifyの対応リソース 対応 サイト上で検出したコンテンツを翻訳 対応
メタフィールド 翻訳可能な型・項目が対象 対応。型と表示方法を確認 サイト上に表示される内容の検出を確認 対応。対象項目を確認
アプリ文言 Shopifyの翻訳機能への対応に依存 Standard以上に対応機能。個別アプリとの互換性確認が必要 対応機能あり。動的表示などは検証が必要 利用中アプリごとに対応範囲を確認
URL・多言語SEO Shopify標準のURL・SEO。ハンドルは手動翻訳 URL・SEO翻訳に対応。Shopifyの構成に従う 専用の言語別URL構成。URLスラッグ翻訳はPro以上 SEO翻訳に対応。ハンドル翻訳の条件は導入前に確認
新規・更新時の運用 自動翻訳を再実行 Standard以上に新商品の自動同期枠。既存変更の処理条件を確認 新しいコンテンツを検出して翻訳。除外・動的内容・上限を確認 同期対象と実行条件を導入前に確認
用語統一 訳文の手動修正を中心に管理 Basic以上に用語集。登録数はプラン別 用語集に対応。適用条件は契約プランを確認 手動修正・CSVで管理。専用用語集が必要な場合は対応を確認
特徴 無料で標準的な多言語化を始めやすい 商品数を軸に翻訳・用語・更新作業を管理できる 専用の翻訳管理方式を採用し、Shopify以外にも展開できる 日本語UIでGoogle・DeepL翻訳やCSVを扱える

どのアプリでも、対応と書かれているだけで自社ストアの全項目が翻訳されるとは限りません。独自テーマ、メタフィールド、レビューや定期購入などのアプリを使っている場合は、代表ページで確認してください。

LangShop|用語集や外部翻訳サービス、一括運用を重視する場合

LangShopは、商品やテーマなどの翻訳に加え、用語集や外部翻訳サービスとの連携を検討したい場合の候補です。日本語の管理画面にも対応しています。

プランごとの主な違いは次のとおりです。「商品数」は公式料金表に示される機械翻訳・AI翻訳の上限であり、手動編集の条件とは区別してください。

プラン 月額 翻訳言語数 機械翻訳・AI翻訳の商品数 用語集の登録数
Free 0米ドル 追加1言語 50商品 有料プランで提供
Basic 10米ドル 1言語 250商品 5
Standard 40米ドル 3言語 2,000商品 100
Advanced 75米ドル 5言語 5,000商品 250
Pro 120米ドル 10言語 10,000商品 500
Enterprise 250米ドル 20言語 50,000商品 1,000
Unlimited 500米ドル 20言語 無制限 無制限

「単語数無制限」でも、すべてのプランで商品数や言語数が無制限になるわけではありません。例えば、数千商品を自動翻訳する場合に、月額10米ドルのBasicだけで足りるとは判断できません。

DeepL Pro・OpenAI・Google Cloudとの連携、サードパーティアプリの翻訳、新商品の自動同期はStandard以上、Shopify Flowへの対応はAdvanced以上に案内されています。一括編集や手動修正にも無料・有料の条件差があります。

新商品の自動同期にもプラン別の枠があります。対象件数の数え方、枠の更新タイミング、既存商品の変更がどう処理されるかは、契約前に確認してください。外部APIの契約や利用料が月額にすべて含まれるとも限りません。

商品、テーマ、メタフィールド、URL・SEO、Checkout、動的コンテンツなどへの対応が案内されていますが、独自実装まで一律に対応できるわけではありません。

Marketsとの連携や言語・通貨切替機能もあります。ただし、通貨切替機能があることと、その通貨で決済できることは別です。また、日本語UIと日本語サポートは区別して確認しましょう。

LangShopをShopify App Storeで確認する

LangShopの料金や具体的な使い方を詳しく知りたい方は、LangShopとは?Shopifyを多言語化する方法・料金・使い方を解説をご覧ください。

Weglot|専用の翻訳管理画面と単語数ベースの運用を重視する場合

Weglotは、サイト上のコンテンツを検出して翻訳し、専用の管理画面で訳文を修正するサービスです。翻訳一覧やビジュアル編集、用語集などを利用できます。

料金の判断では、商品数よりも翻訳対象の単語数と言語数が重要です。同じ商品数でも、説明が長いストアやブログが多いストアでは必要な枠が増えます。

例えば、原文が約10,000単語あるサイトを3言語へ翻訳する場合、概算では約30,000単語分の枠を見込む考え方になります。実際の計数には重複や除外設定などが関わるため、事前の単語数確認が必要です。

翻訳にはDeepLなどの機械翻訳サービスが使われ、言語ペア等に応じて選択されます。AIによる訳文調整の機能もありますが、利用枠や追加条件は料金プランで確認してください。

Weglotは、Shopify標準の翻訳データを編集するアプリと同じ導入構成ではありません。公式のMarkets連携手順では、サブディレクトリ構成やDNS設定、サポート側の調整が案内されています。

既存の多言語ストアから移行する場合は、言語別URL、既存翻訳の保存、切替後のリダイレクトまで計画しましょう。連携のために言語を削除するなどの変更を、バックアップなしで進めないことが大切です。

Shopify以外のサイトも含めて翻訳管理の方法をそろえたい場合や、Weglotの編集画面・運用方式が担当者に合う場合に比較候補になります。

Interlingue|日本語UIでGoogle・DeepL翻訳を利用したい場合

Interlingueは、日本語の管理画面に対応したShopify翻訳アプリです。Google Translate・DeepLによる翻訳、手動修正、一括翻訳、CSVのインポート・エクスポートが案内されています。

月額は9米ドルで、7日間の無料試用があります。日本語で操作しながら、商品やテーマなどの翻訳を管理したい場合の候補です。

大量商品や複雑なアプリ構成で使う場合は、商品数・翻訳言語数の利用条件、自動同期の対象、利用中アプリとの互換性を確認しましょう。用語集や特定の生成AIモデルが必須なら、その要件も導入前に照合します。

要件別の選び方

重視する要件 最初に比較する候補 決める前の確認点
無料で1〜2言語の自動翻訳を始めたい Translate & Adapt 翻訳対象と更新作業を担当者が管理できるか
用語集、DeepL、OpenAI、商品追加時の運用を重視したい LangShop 必要な機能が使えるプラン、商品数、同期枠、外部費用
専用の翻訳編集画面や、他のCMSも含めた管理を重視したい Weglot 総単語数、言語数、Marketsとの連携構成
日本語UIでGoogle・DeepL翻訳やCSVを扱いたい Interlingue 対象リソース、利用上限、同期や更新の条件

最終的には、代表的な商品やページを使い、翻訳品質だけでなく「担当者が修正しやすいか」「更新漏れを見つけられるか」も比較してください。

AI・DeepL翻訳は人間の確認と組み合わせる

機械翻訳とAI翻訳は、完全に別の技術を指す言葉ではありません。DeepLなどの機械翻訳にもAIが使われており、OpenAIなどの生成AIは文脈や文体を指定した訳文作成・調整に利用されます。

どの方式でも、ブランドの意図や商品仕様を常に正確に理解できるとは限りません。「AIだから高品質」「DeepLなら確認不要」とは考えないようにしましょう。

役割 使いどころ 確認すること
機械翻訳 多くの文章の初稿を作る 専門用語、数値、文脈、言語ごとの自然さ
生成AIによる翻訳・調整 ブランドの文体や説明の文脈を反映する 原文にない効能・仕様・条件を追加していないか
用語集・翻訳除外 ブランド名、素材名、商品シリーズ名を統一する 大文字・小文字、表記ゆれ、対象言語ごとのルール
人間による確認 誤訳の修正、購入判断に関わる情報の確認 意味の正確さ、現地での伝わり方、ブランド表現

特に、ブランド名、素材、サイズ、ジュエリーやファッションの専門用語、返品条件、配送条件は優先して確認します。「金メッキ」と「無垢の金」のように、意味の違いが商品価値に直結する表現もあります。

運用は「自動翻訳で初稿を作る → 用語と数値を確認する → 人間が重要ページを修正する」を基本にしましょう。

DeepLを外部連携で利用する場合は、ブラウザー版の翻訳サービス契約とAPI契約の違いにも注意が必要です。アプリ側の契約に何が含まれるかを確認し、重複契約や費用の見落としを防ぎます。

数百〜数千商品を翻訳するときの進め方

Marketsの販売対象から翻訳範囲を決める

商品数が多い場合でも、全商品を最初から翻訳することが最適とは限りません。

例えば、国内向けに3,000商品を登録していても、海外発送できる商品が600商品なら、その600商品と購入に必要な共通ページを先に整える方法があります。これは運用設計の例であり、特定アプリの料金計算例ではありません。

  1. 販売する国・地域と言語を決める
  2. 配送や販売条件を踏まえ、Marketsごとの販売対象商品を決める
  3. 対象商品と関連コレクション、ページ、メニューを洗い出す
  4. 対象外の商品が検索・おすすめ表示・リンク先に残らないか確認する
  5. 優先度の高い商品から翻訳と確認を進める

翻訳対象を絞る機能と、Marketsの販売対象設定は別です。アプリが販売対象を自動で読み取り、必要な商品だけ翻訳するとは限らないため、絞り込み条件を確認してください。

費用と処理時間を小規模テストで見積もる

翻訳費用は、アプリ月額だけで比較すると実態を見誤りやすくなります。

  • アプリの月額と、商品数・言語数によるプラン変更
  • 単語数・文字数・AIクレジットなどの利用枠
  • 外部APIを利用する場合の契約・従量費用
  • 人間による確認・修正の作業時間
  • 新商品追加、既存説明の変更、テーマ更新に伴う保守作業

まずは、短い説明・長い説明・複雑なオプション・メタフィールドを含む商品を10〜20件程度選び、試行します。

処理時間は商品数だけでなく、文章量、言語数、翻訳サービス、利用制限、混雑状況などに左右されます。試行結果から見積もりを作り、本番の処理には余裕を持たせましょう。「数千商品が必ず何分で終わる」といった前提は置かないようにします。

翻訳が完了しても、公開確認まで完了したとは限りません。処理時間と人間の確認時間を分けて計画することが大切です。

新商品・更新・失敗時の運用を決める

公開後は、少なくとも次の3種類の作業を分けます。

発生する作業 決めておくこと
新商品の追加 翻訳するタイミング、対象言語、確認担当者、翻訳前に販売するか
既存商品の原文変更 変更検知の方法、再翻訳する項目、手動修正済みの訳文の扱い
翻訳の失敗・未完了 失敗した対象の記録、原因確認、再実行、重複処理の防止

管理表には、商品やページのID、言語、項目名、原文の更新日、翻訳状態、エラー内容、再実行結果、確認担当者を残すと、作業を引き継ぎやすくなります。アプリに必要な記録機能がなければ、外部の管理表で補います。

失敗した場合は、利用枠、API接続、対象データ、アプリの処理状況を確認し、可能であれば失敗分だけを再実行します。全件を繰り返し翻訳すると、追加費用や手動修正の上書きにつながるおそれがあります。

日本語ストアに英語を追加した場合も、海外ストアに日本語を追加した場合も、新商品が翻訳済みかを確認する運用は必要です。

Shopifyを多言語化する導入手順

ここでは、Shopify標準の言語管理と、それに対応する翻訳アプリを使う場合の流れを紹介します。Weglotなど独自の連携構成を使うサービスは、公式の導入手順と照合してください。

  1. 販売先と言語、商品を決める。Marketsの販売対象と、翻訳する商品・共通ページを整理します。
  2. テーマと利用中アプリを確認する。言語切替、独自セクション、レビュー、検索、定期購入などの対応状況を確認します。
  3. 言語とMarketsの割り当てを設定する。管理画面の「設定」から「言語」を追加し、対象ドメインやMarketsとの関係を設定します。
  4. 翻訳を用意する。Translate & Adapt、対応する外部アプリ、翻訳CSVなどで入力し、用語・数値・重要条件を修正します。
  5. 購入までの動線を確認する。言語切替から商品選択、カート、Checkout、通知メールまで検証します。
  6. 言語を公開し、公開後も確認する。URL、SEO設定、未翻訳箇所を確認し、更新担当者と確認頻度を決めます。

英語を追加するために、ストアの元の言語を英語へ変更する必要はありません。元の言語の変更は翻訳データにも影響するため、追加言語の設定と混同しないようにしましょう。

テーマ変更時は、既存の翻訳がそのまま使える範囲と、新しく翻訳が必要な項目を確認します。テーマが変わると、ボタンやセクションの項目自体が変わることがあります。

多言語SEOで確認するURL・hreflang・canonical

Shopifyには多言語SEOを支える仕組みがあります。ただし、翻訳アプリを導入するだけで海外検索から集客できるわけではありません。対象地域で使われる検索語、ページ内容、購入条件まで整える必要があります。

項目 確認すること
言語別URL 英語なら「/en」、地域と言語を組み合わせる場合は「/en-ca」など、構成に応じたURLでアクセスできるか
URLハンドル URL末尾を翻訳する場合の対応範囲と、変更前URLからのアクセス。「products」などの固定部分とは区別する
hreflang 言語・地域の別ページを検索エンジンに伝える設定。Shopifyの自動出力とアプリ側の出力が重複していないか
canonical 各ページの正規URLが適切か。すべての翻訳ページを一律に日本語ページへ向けていないか
title・meta description 翻訳されているかだけでなく、現地の検索語とページ内容に合っているか
サイトマップ・インデックス 公開言語のURLが確認できるか。意図しないnoindexやアクセス制限がないか
自動リダイレクト 利用者が意図する言語へ移動できるか。手動切替を妨げたり、同じページを行き来したりしないか

Shopifyの国際ドメイン構成では、hreflangの自動出力やサイトマップなどが用意されています。別の仕組みで出力する場合は、重複・矛盾がないか確認してください。

言語切替では、可能な限り閲覧中の商品・ページの別言語版に移動できることも重要です。毎回トップページへ戻る構成では、購入者が目的の商品を探し直すことになります。

同じURLの表示だけを切り替えても、言語・地域別のページとして検索エンジンに認識されるとは限りません。固有のURLを含む構成を確認しましょう。

公開後はGoogle Search Consoleなどで対象URLの認識状況を確認します。インデックス登録や順位上昇は保証されないため、翻訳の品質と検索意図への適合を継続して改善します。

翻訳・通貨・越境EC全体の設定は分けて考える

日本語から英語への変更は「言語」、JPYからUSDへの変更は「通貨」です。英語のページを表示できても、米ドルで決済できるとは限りません。

設定 主に確認する仕組み
言語と翻訳 Shopifyの言語管理、翻訳アプリ、翻訳データ
地域別の表示・販売条件 Shopify Markets、ドメイン、販売対象商品
通貨表示と決済通貨 Markets、決済サービス、利用可能な決済方法
海外への販売・配送 配送、関税・税金、返品、規約、顧客対応

複数通貨での決済は、Shopify PaymentsやAdyenなど、対応する決済サービスと利用条件の確認が必要です。翻訳アプリの通貨換算表示だけで、現地通貨による決済が完結するわけではありません。

翻訳は越境ECの一要素です。海外配送や返品、関税・税金、問い合わせ対応を含む全体の進め方は、Shopify越境ECの始め方|設定手順から費用まで解説をご覧ください。

多言語ストアの公開前チェックリスト

公開前は、翻訳画面で完了と表示されているかだけでなく、購入者が実際に見る画面で確認します。

確認箇所 チェック内容
主要商品 商品名、説明、素材、サイズ、オプション、バリエーションに誤訳や欠落がないか
価格・通貨 表示価格・通貨と、Checkoutでの請求条件が一致しているか
ナビゲーション・フッター メニュー名が翻訳され、意図した言語のページに移動するか
テーマ・ボタン カート追加、検索、売り切れ、エラーなどの文言が残っていないか
カート・Checkout 選択言語、送料、決済方法、独自文言が適切か
返品・配送情報 期限、費用負担、発送地域、配送日数などが原文と一致しているか
通知メール 注文確認・発送通知などが適切な言語と内容で届くか
SEO title、meta description、URL、hreflang、canonicalが適切か
スマートフォン表示 長い訳文によるボタンの崩れ、はみ出し、読みにくさがないか
言語切替・404ページ 各ページで切替が動作し、存在しないURLでも案内が理解できるか
アプリ文言・メタフィールド レビュー、定期購入、絞り込み、補足情報などに翻訳漏れがないか
運用体制 新商品・原文変更・エラーを誰が確認するか決まっているか

未翻訳箇所は元の言語で表示されることがあるため、画面が表示できるだけでは確認完了になりません。主要な購入動線を通して読み、翻訳漏れを探しましょう。

Shopifyの多言語化に関するFAQ

Shopifyは無料で英語化できますか?

Shopifyの契約料金とは別に、翻訳アプリの追加月額をかけずに始めることはできます。Translate & Adaptは無料で、自動翻訳は最大2言語です。確認・修正の作業や、独自テーマ・アプリへの対応が必要になる場合はあります。

Translate & Adaptでは3言語以上に対応できませんか?

最大2言語という制限は自動翻訳に関するものです。手動翻訳や用意した訳文の取り込みは、Shopifyの公開言語数の範囲で検討できます。3言語以上を継続的に自動翻訳したい場合は、外部アプリも比較しましょう。

ShopifyでDeepLを使えますか?

DeepLに対応する翻訳アプリを通じて利用できます。LangShopではStandard以上にDeepL Pro連携が案内され、InterlingueもDeepL対応を案内しています。Weglotでも翻訳エンジンの一つとして使われますが、利用者が常にDeepLだけを指定する方式とは限りません。

翻訳アプリを入れれば、すべてのアプリ文言も翻訳されますか?

すべてが翻訳されるとは限りません。翻訳データとして提供される文言、動的に表示される文言、外部サービス上の画面では対応方法が異なります。利用中アプリとの組み合わせで確認してください。

英語URLにするには、商品URLをすべて変更する必要がありますか?

言語別URLの作成と、商品URL末尾のハンドル翻訳は別です。まず言語別URLで正しく表示される構成を整え、必要に応じてハンドルを翻訳します。既存URLを変更する場合は、リンクやリダイレクトへの影響も確認しましょう。

複数の翻訳アプリを併用してもよいですか?

Shopify標準の翻訳データを扱うアプリでは、同じ訳文を編集できる場合があります。ただし、自動翻訳や同期による上書きには注意が必要です。Weglotのように異なる連携構成を使うサービスもあるため、すべてのアプリを同じ前提で併用しないようにしてください。

まとめ|翻訳対象と運用方法からアプリを選ぶ

Shopifyの多言語化は、標準機能とTranslate & Adaptから始められます。まずは販売先・対象商品・言語を決め、商品以外のページや購入動線も含めて翻訳範囲を整理しましょう。

外部アプリを選ぶ場合は、LangShopの用語集や外部翻訳連携、Weglotの翻訳管理方式、Interlingueの日本語UIなどを、自社の運用要件と照らし合わせて比較します。

導入時の翻訳量だけでなく、新商品・原文変更・テーマ変更に対応し続けられるかが、長く運用するうえでの判断基準です。

ファイブビットでは、Shopifyの構築・運用支援を行っています。翻訳範囲の整理やアプリ選定、Marketsを含めた運用設計についてもご相談ください。

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※この記事は2026年10月時点の内容です。今後のアップデートやShopifyの仕様変更等により、記事の内容が古くなってしまう可能性があります。

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