Shopifyの送料は、標準機能だけでも全国一律・地域別・注文金額別・重量別に設定できます。大型商品や冷凍商品など、商品グループごとに送料を分けることも可能です。
ただし、商品を単独で購入したときの送料が正しくても、複数の商品を一緒に購入すると、送料が合算される場合があります。まず「どの注文で、いくら請求したいか」を整理し、標準機能で足りない部分に送料アプリを使うことが大切です。
この記事では、送料の設定手順、配送プロファイルの仕組み、送料無料と複数商品購入時の注意点、ShipXなどの送料アプリを選ぶ基準を解説します。
Shopifyの送料設定は標準機能から検討する
基本の送料設定は、管理画面の「設定」→「配送と配達」で行います。最初からアプリを導入せず、自社のルールが次の範囲に収まるかを確認しましょう。
| 設定したい内容 | 標準機能での対応方法 |
|---|---|
| 全国一律800円 | 日本の配送エリアに定額送料を設定 |
| 北海道・沖縄は別料金 | 都道府県ごとに配送エリアを分ける |
| 10,000円以上送料無料 | 注文金額による無料条件を設定 |
| 重量によって送料を変更 | 重量帯ごとの料金を登録 |
| 大型商品・冷凍商品を別料金にする | 商品グループごとの配送ルールを作成 |
| 近隣への自社配送・店舗受取 | ローカル配送・店舗受取を設定 |
一方、商品点数に応じた加算、通常宅配の郵便番号別料金、顧客属性による変更などは、アプリを検討する領域です。商品グループを分けるだけで希望する計算になるとは限らないため、同時購入時の送料も決めておきます。
送料計算と配送日時指定は別の機能
送料計算は、チェックアウトでお客様に請求する金額を決める機能です。配送希望日・時間帯・締め時間・休業日を扱う「配送日時指定」や、ラベルを作成する「送り状発行」とは役割が異なります。
また、お客様に請求する送料と、ストアが配送会社へ支払う運賃も別です。「配送アプリ」という名称だけで判断せず、解決したい業務に合うものを選びましょう。
設定前に送料ルールを表にする
管理画面を操作する前に、対象商品・地域・無料条件・同梱可否を整理します。次の表は設計例です。実際の配送原価や利益率に合わせて金額を決めてください。
| 配送区分 | 対象商品 | 対象地域 | 基本送料 | 送料無料条件 | 追加料金 | 同梱可否 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 通常 | 常温の雑貨 | 北海道・沖縄以外 | 800円 | 10,000円以上 | なし | 通常商品同士は可 | 大型・冷凍は別送 |
| 通常・遠隔地域 | 常温の雑貨 | 北海道・沖縄 | 1,300円 | なし | 通常との差額500円 | 通常商品同士は可 | 総額1,300円を設定 |
| 冷凍 | 冷凍食品 | 配送可能地域 | 1,200円 | なし | 地域別に設計 | 常温とは不可 | 温度帯ごとに梱包 |
| 大型 | 家具など | 配送可能地域 | 2,000円 | なし | 2点目以降は別途決定 | 原則不可 | 1点単位か注文単位か決める |
「大型商品は送料2,000円」でも、何点買っても2,000円なのか、1点につき2,000円なのかで設定方法が変わります。課金単位と同時購入時の扱いを先に決めると、設定後の手戻りを減らせます。
配送プロファイルとは?商品ごとの送料を管理する仕組み
一般配送プロファイルとカスタム配送プロファイル
配送プロファイルは、「対象商品」「発送元」「配送先」「送料」をまとめた設定です。配送先のまとまりを配送エリア(Shipping zone)、適用する料金を配送料(Shipping rate)と呼びます。
一般配送プロファイルは基本の配送ルールで、別のプロファイルに割り当てていない商品に適用されます。カスタム配送プロファイルは、特定の商品やバリエーションだけ別のルールにするときに使います。
- 通常商品:一般配送プロファイルで送料800円
- 大型商品:大型商品用プロファイルで送料2,000円
- 冷凍商品:冷凍商品用プロファイルで送料1,200円
各プロファイルには、対象商品だけでなく、発送元のロケーション、配送エリア、送料も設定します。新商品を追加するときは、正しいプロファイルに入っているか確認しましょう。
新しい配送設定方式を使うストアもある
Shopifyでは、配送プロファイル中心の設定から「マーケット別の配送オプション」へ移行が進んでいます。管理画面が異なる場合は、利用中の設定方式に合わせて操作してください。
新方式の定額・注文金額ベースでは、同じ配送オプション内で一致する複数料金のうち、最も高い料金を使う仕組みがあります。従来の別プロファイル同士の合算とは区別が必要です。詳細はShopify公式の配送オプション解説をご確認ください。
Shopifyで送料を設定する手順
全国一律800円・10,000円以上送料無料
配送プロファイルを使うストアでは、次の流れで設定します。画面によって項目名は異なりますが、「対象商品・地域・料金」の順に確認する点は共通です。
- 管理画面の「設定」→「配送と配達」を開きます。
- 対象の配送プロファイルを選び、商品と発送元を確認します。
- 日本の対象都道府県を含む配送エリアを作成・確認します。
- 配送料を追加し、定額料金を800円に設定します。
- 最低注文金額による送料無料の項目で10,000円を設定します。
- 保存し、チェックアウトに表示される送料を確認します。
条件付き料金を個別に作成する画面では、「10,000円未満は800円」「10,000円以上は0円」と金額帯を分けます。入力単位に合わせ、上限・下限の抜けや意図しない重複を防いでください。
北海道・沖縄などの地域別送料
通常料金の配送エリアから対象地域を外し、北海道・沖縄用のエリアを作成します。「通常800円に500円追加」なら、その地域には総額1,300円を登録します。800円と500円を別の配送候補として作っても、自動で加算されるわけではありません。
北海道と沖縄で金額が異なる場合は、別々のエリアにします。送料無料ラインを適用するかどうかも地域ごとに決めましょう。
金額別・重量別の送料
注文金額別なら「5,000円未満は800円、10,000円未満は400円、それ以上は無料」など、金額帯ごとに料金を作ります。重量別は、商品・バリエーションの実重量と梱包重量を整備し、重量帯ごとの料金を登録します。
現行の標準設定には、重量別送料に最低注文金額による送料無料条件を追加する方法もあります。「重量と金額を使うなら必ずアプリ」ではありません。ただし、重量帯ごとに異なる金額条件を持たせるなど、複雑な条件は個別に設計します。
商品別送料・ローカル配送・店舗受取
大型商品や冷凍商品は、カスタム配送プロファイルに対象商品を追加し、地域と料金を設定します。商品ごとに細かく分けるより、同じルールの商品をまとめる方が管理しやすくなります。
近隣への自社配送にはローカル配送を使い、郵便番号や距離、最低注文金額などを設定できます。店舗受取は受取可能なロケーションを用意する方式で、標準の受取料金は無料です。どちらも通常宅配とは別の配送方法として扱います。
複数商品を購入したときの送料に注意
Aが800円、Bが1,500円なら合計はいくら?
送料は、商品に書かれた金額を見ただけでは決まりません。商品Aが800円、商品Bが1,500円の場合、設定によって次のように変わります。
| 設定 | 同時購入時の送料 | 注意点 |
|---|---|---|
| 従来方式でA・Bを別プロファイルにする | 2,300円 | 同じ倉庫から発送しても合算される |
| 同じプロファイル・ロケーショングループで定額800円にする | 800円 | B単独でも800円になる |
| 混在時は高い方を採用するルールを設定する | 1,500円 | 新しい配送方式やアプリで条件を組む |
「B単独は1,500円、AとBの同時購入も1,500円」が希望なら、従来のプロファイルを分けるだけでは足りません。合計・最大額・注文全体の固定額のどれにしたいかを明確にしましょう。
同じ料金名にしても合算はなくならない
別プロファイルの「通常配送」800円と「通常配送」1,500円は、合算されて2,300円になります。料金名がすべて異なる場合は、各グループの最も安い候補が合算される仕組みがあります。
同じプロファイル・ロケーショングループの定額送料は、複数倉庫から発送しても1回分になるケースがありますが、異なるグループや重量・アプリ計算の送料は別の扱いです。メーカー直送や倉庫を追加した際も、組み合わせを再確認してください。
合算の根拠は、Shopify公式の配送料計算ルールで確認できます。
送料無料の設定とクーポンの違い
常設の「10,000円以上送料無料」は配送設定で扱い、期間限定・会員限定などの施策には無料配送ディスカウントを使うと整理しやすくなります。
- 送料を0円にする:対象地域・商品グループの通常ルールとして設定
- 無料配送ディスカウント:クーポンコードや自動割引の条件として設定
- 送料無料バー:無料までの残額を表示する機能。送料そのものは別途設定
送料無料商品と送料800円の商品を別プロファイルで同時購入すると、0円+800円で注文の送料は800円になります。「送料無料商品を1点買えば、ほかの商品も無料」とは異なります。
また、従来の金額ベースの送料はカート全体の金額を参照します。通常商品6,000円と大型商品5,000円で無料ラインを超えても、大型側を常に有料と設定していれば、その送料は残ります。
金額判定は割引後・税加算前の金額が基準です。無料ラインを超えていた注文でも、商品・注文割引で金額が下がると送料が発生する場合があります。税込表示や端数、無料配送ディスカウントとの併用も含めて確認しましょう。
よくある送料要件10ケースの判断表
| 要件 | 判断 | 設計のポイント |
|---|---|---|
| 1. 全国800円・10,000円以上無料 | 標準で可能 | 定額と無料条件を設定 |
| 2. 北海道・沖縄だけ追加 | 標準で可能 | 地域別に総額を設定 |
| 3. 通常800円・大型2,000円 | 標準で可能 | 混在時2,800円でよいか決める |
| 4. 常温と冷凍を別料金 | 標準+運用設計 | 別送・合算を倉庫運用と合わせる |
| 5. 2個買ったら加算 | アプリを検討 | 標準の定額は個数に比例しない |
| 6. 特定商品が入ると無料を無効化 | 条件によりアプリ | その商品だけ有料か、注文全体を有料にするかを区別 |
| 7. 商品点数で送料変更 | アプリを検討 | 全体の点数か、対象商品の点数かを決める |
| 8. 郵便番号・都道府県別 | 都道府県は標準 | 通常宅配の郵便番号別はアプリ候補 |
| 9. 重量と金額の組み合わせ | 条件付きで標準 | 重量別+最低金額で無料は標準の対応範囲 |
| 10. 複数条件のAND・OR | 複雑ならアプリ | 商品・顧客・数量など、組み合わせる条件で判断 |
離島は都道府県だけで分類できない場合があるため、配送会社の対象地域と郵便番号リストを照合します。小型便も数量だけでなく、厚さ・サイズ・梱包条件を含めて設計してください。
数量判定のために商品重量を仮の数値へ変更すると、配送会社連携や物流システムに影響します。実重量を保ったまま運用できる方法を優先しましょう。
おすすめ送料アプリを比較
標準機能で足りない場合の比較候補は、ShipX、配送カスタム.amp、Parcelifyです。料金は米ドル建ての月払い表示で、Shopify本体の費用とは別です。
| サービス | 月額料金・無料利用 | 向いているケース |
|---|---|---|
| Shopify標準 | 基本設定に追加アプリ費用なし | 地域・金額・重量・商品グループで整理できる |
| ShipX | Starter 9.99ドル/Smart 24.99ドル/Premium 34.99ドル。無料プランはテスト用、有料各プランは14日間体験 | 数量・商品条件・混在時の料金を細かく設計したい |
| 配送カスタム.amp | NORMAL 12ドル/ADVANCED 24ドル。14日間体験 | 日本語で都道府県・郵便番号・商品タグなどを管理したい |
| Parcelify | 19.99ドル。14日間体験 | 英語で商品タグ・数量・配送エリア別の条件を管理できる |
ShipXとParcelifyは英語での設定を前提に比較します。配送カスタム.ampは日本語に対応し、数量や複合条件を使う場合はADVANCEDが比較対象です。必要な機能のあるプランで費用を比べましょう。
料金・機能の参照先:配送カスタム.amp、Parcelify。
ShipXでできることと選ぶ際のポイント

商品・数量・地域を使って送料を設計する
ShipX(旧Shipeasy)は、Logbaseが提供する送料設定アプリです。カート金額・重量・数量、商品タグやSKU、郵便番号などを使ったルールを設定できます。
例えば、商品数量による段階料金、特定商品の追加料金、一定数量以上の送料無料が検討できます。商品グループの料金を合計・最大額などでまとめる機能もあり、通常商品と大型商品の混在時の設計に役立ちます。
Starterは主にカート条件、Smartは商品別料金・料金の組み合わせ・顧客別料金、Premiumは配送会社や寸法に関する機能が比較のポイントです。顧客タグやB2B向けの条件では、チェックアウトでどの顧客・会社として識別されるかも整理します。
送料計算と配送方法の出し分けを区別する
ShipXには、外部サービスの計算済み送料を使うCCS方式と、CCSなしで既存の配送方法を非表示・名称変更・並べ替えする方式があります。
「数量に応じて新しい送料を計算する」ことと、「登録済みの配送候補を条件で出し分ける」ことは別です。CCSなしの配送カスタマイズには、全条件一致・いずれか一致などの指定がありますが、必要な条件をどの方式で実現するかを先に決めましょう。
CCSはShopify Advanced・Plusで利用でき、Growには年払いまたは追加料金による利用方法があります。複雑な送料設定にPlusが必須とは限りません。ParcelifyにもCCSなし方式があり、配送カスタム.ampは全Shopifyプラン対応と案内されています。
アプリ内でまとめた送料が、Shopify側で別のプロファイルの料金と合算されることもあります。対象商品、発送元、標準送料を残す範囲まで含めて設計してください。
詳しい機能・プラン・設定の流れは、ShipX(旧Shipeasy)とは?Shopifyの送料設定・料金・使い方で解説しています。
公開前に確認したい送料設定のチェックポイント
送料の確認では、期待する金額を先に書き出し、実際のチェックアウト表示と照合します。アプリ内のシミュレーターだけでなく、商品や割引を組み合わせて確認しましょう。
- 単品・同一商品2点・通常商品と大型商品・常温と冷凍の組み合わせ
- 送料無料ラインの直前・ちょうど・直後、割引適用後の金額
- 北海道・沖縄・対象郵便番号・配送対象外の地域
- 重量帯の境界、梱包重量、商品タグの有無
- 別倉庫やメーカー直送の商品を含む注文
- アプリ停止・削除後に残る配送方法と復旧手順
確認には新しいカート・チェックアウトを使い、公開前にはテスト用決済などで注文から発送までの流れを確認します。送料変更後の古いチェックアウトには、変更前の条件が残る場合があります。
計算済み送料の障害時に使うバックアップと、通常の定額送料は別です。予備として定額800円を通常料金に残すと、正常時にもお客様が選べる場合があります。障害時の扱いは発動条件まで確認してください。
送料・商品区分・地域リストの更新担当者を決め、商品追加や倉庫変更の際に再確認する運用を整えましょう。
海外配送は送料以外の条件も整理する
海外配送では、国別の配送エリアと販売対象マーケットに加え、配送会社、発送可能な商品、関税・輸入税を誰が負担するかを決めます。販売側が負担するDDPと、受取側負担の条件は区別が必要です。後者はDDUと表現されることもありますが、現行の説明ではDAPも使われます。
国内送料とは別の論点が多いため、詳細はShopify越境ECの始め方をご覧ください。
Shopifyの送料設定に関するFAQ
商品に「送料無料」タグを付ければ無料になりますか?
タグだけでは送料は変わりません。タグを参照するアプリ条件や、その商品を対象にする無料送料の設定が必要です。商品ページの案内とチェックアウトの金額を一致させましょう。
送料が表示されない場合は何を確認しますか?
配送エリアとマーケット、商品のプロファイル、発送元・在庫、金額や重量の条件、アプリの稼働状況を確認します。混在注文だけで発生する場合は、各商品グループに対象地域の送料があるか確認してください。
送料ルールは細かいほどよいのでしょうか?
細かすぎる条件は、お客様にも運用担当者にも分かりにくくなります。同じルールの商品をまとめ、例外は必要な範囲に絞りましょう。設定できることより、説明・更新できることが重要です。
まとめ|標準機能を基本に、自社に必要な送料ルールを整える
Shopifyの送料設定は、地域・金額・重量・商品グループを整理すれば、標準機能で対応できるケースが多くあります。複数商品購入時の合算や無料条件まで決めたうえで、数量・郵便番号・顧客条件などにShipXをはじめとするアプリを検討しましょう。
ファイブビットでは、Shopifyの構築・運用・アプリ導入を支援しています。自社の送料要件を整理したい、標準機能とアプリのどちらが適しているか判断したい場合は、ファイブビットへご相談ください。
※この記事は2026年10月時点の内容です。今後のアップデートやShopifyの仕様変更等により、記事の内容が古くなってしまう可能性があります。


