ECサイト構築プラットフォーム「Shopify」には、「Shopifyパートナー」という公式のパートナー制度が存在します。
これからShopifyを立ち上げようとしていたり、自社で立ち上げたShopifyの相談に乗ってほしいEC事業者様にとっては、自社に合ったパートナーを見つけることが、EC事業をうまく軌道に乗せるための1つの条件と言えるでしょう。
そこで当記事では、Shopifyパートナー制度の概要や、パートナーの種類、活用するメリット・注意点などを紹介します。
Shopifyパートナーとは?
Shopifyパートナーとは、EC事業者(Shopifyではマーチャントと呼びます)のために、Shopifyを利用してECサイトやデザインテンプレート(テーマ)、アプリを開発したり、アフィリエイトでShopifyの販売に協力したりする、公式のパートナープログラムです。
Shopify パートナープログラムは、Shopifyプラットフォームを使用してECサイト、テーマ、およびアプリケーションを構築する、デザイナー、開発者、マーケター、およびアフィリエイトの多様なグループです。 Shopifyヘルプセンター
Shopifyパートナープログラムに参加しているパートナーは、マーチャントのためにShopifyでECサイトを作ったり、開発したアプリやテーマがマーチャントに使われると、プランに応じた報酬を得ることができます。
詳細はこちらのヘルプページで確認できますが、例えば、ShopifyパートナーがクライアントのためにShopifyストアをプレミアムプランで構築した場合、そのパートナーはShopifyから毎月$79.8(日本円で約1万円~1.2万円)の報酬(レベニューシェア)を得ることができます。
レベニューシェアの金額自体はマーチャントから頂く構築費用や保守料金より大きくなることはほとんどないですが、後述するパートナーのランク制度に大きく関わってくるため、Shopifyパートナープログラムに登録している企業はShopifyの構築案件がくると嬉しいという点も覚えておくといろいろ交渉しやすいでしょう。
Shopifyパートナーの種類
Shopifyパートナーは、自分が果たす役割ごとに下記のように4種類に分類されます。
- 構築パートナー
- 紹介パートナー
- テーマ開発パートナー
- アプリ開発パートナー
それぞれのパートナーの役割を紹介します。
構築パートナー
4種類のパートナーの中で、マーチャントが一番やりとりすることが多いのが、この構築パートナーです。構築パートナーは、マーチャントのECサイトをShopifyを利用して構築することにより、Shopifyから報酬を得ることができます。
紹介パートナー
自社のブログやSNSからマーチャントがShopifyに登録~課金を開始した場合に報酬を得ることができます。いわゆるアフィリエイトという方法で報酬を得るパートナーで、マーチャント的には、おそらくほとんど顔を合わせる可能性はないパートナーです。
テーマ開発パートナー
テーマ開発パートナーは、Shopify専用のデザインテンプレート(テーマ)を開発し、公式のテーマストアで販売することで報酬を得ます。テーマを購入した後は、そのテーマの開発者に問い合わせれば簡単なサポートを受けることもできます。
アプリ開発パートナー
アプリ開発パートナーは、Shopify専用のアプリケーションを開発し、公式のアプリストアで販売することで報酬を得ます。アプリに導入前後に、そのアプリのベンダーに問い合わせることもできます。
※上記4つのパートナーは、どれか1つだけに属する必要はなく、構築をやりながらテーマやアプリの開発をしているパートナーもいます。
Shopifyパートナー内のランク制度
上述のパートナーの種類とは別軸で、パートナーには、Shopify公式が定めたランク制度があり、下記の3つに分類されます。
- Shopifyパートナー(無印)
- Shopifyエキスパート(要認定)
- ShopifyPlusパートナー(要認定)
各ランクについて解説します。
Shopifyパートナー
Shopifyパートナー公式ページからメールアドレスを登録するだけで誰でもなれるランクです。パートナーになると、Shopifyパートナー専用のダッシュボードが付与されて、今まで構築してきたストアやアプリ、テーマを管理することができるようになります。基本的に、全てのパートナーはこの無印パートナーから実績を積んで、後述のランクに昇格していきます。
Shopifyエキスパート
ShopifyExperts(エキスパート)とは、Shopifyから公式にShopify関連業務における能力を認められたパートナーのことです。弊社もShopifyエキスパートに認定されているため、ちょっとポジショントークに聞こえてしまうかもしれませんが、Shopify関連の業務を依頼・相談する際は、エキスパート以上のパートナーを選んだ方が無難といえます。
ShopifyPlusパートナー
Shopifyパートナー制度における最高ランクのパートナーです。Shopifyの通常プラン「ベーシック・スタンダード・プレミアム」の上位プランである「Shopify Plus」を使ったECサイトの構築・開発を得意としています。2023年11月時点で日本国内に20社ほどしかいないため、非常に希少性が高いとされています。
Shopifyパートナーを活用するメリットと注意点
Shopifyパートナーの種類やランク制度について解説してきました。ここからは、Shopifyパートナーを活用するメリットや注意点を紹介します。
メリット
※パートナーの中でも、構築パートナーの話に限ります
熱意が高い
上述している通り、ShopifyパートナーはShopify公式からストアの構築数やプランに応じて報酬を得たりランク認定されたりするため、パートナーではない制作会社と比較して、Shopify案件への熱意が(基本的には)高いです。特に、すでにエキスパート以上のランクに認定されているパートナーは、自社の評価(ランク)を維持したい・上げたい・(落としたくない)ため、より積極的に対応してくれる可能性が高いと言えるでしょう。
知識・経験が多い
Shopifyパートナーになると、専用のダッシュボードからShopifyに関するパートナー向けドキュメントを閲覧することができ、Shopifyのことをより詳しく勉強することができます。パートナー登録していない制作会社と比較して、勉強できる機会が多いという点で、知識量の期待値に差が生まれます。ただ、上述しているように、無印のパートナーはメールアドレスさえ登録すれば誰でもなれるので、そのパートナーがShopifyに関する経験・知識が本当に多いかどうかは、その会社の事例ページや発信している情報で判断する必要があるでしょう。
注意点
※パートナーの中でも、構築パートナーの話に限ります
事例が少ないパートナーがいる
何度も繰り返しになってしまいますが、無印のパートナーは誰でもなれるため、パートナーになったばかりだったり、パートナーになっただけでShopifyの案件を対応したことがない制作会社は実はたくさんいます。ここで問題なのが、実はShopifyエキスパートやShopifyプラスパートナーの中にも、Shopifyの事例が少ない企業がいることです。弊社もShopifyからエキスパート認定されている企業なので、あまり滅多なことは書けませんし、今まで書いてきた内容と矛盾すると思われるかもしれませんが、これは事実なので、Shopify構築や開発の相談をする際は、必ず事例が多かったり情報発信を積極的に行なっている優良なShopifyパートナーに相談しましょう。
パートナーにも向き不向きがある
例えば、弊社はShopifyのテーマやアプリ、APIなどが絡んだ高度な開発を得意とするShopifyパートナーですが、ブランディングが得意だったり、越境が得意だったり、Amazonや楽天との連携が得意なパートナーもいます。最終的には何社かリストアップしてから問い合わせる形になるとは思いますが、自社が求めているパートナー像をある程度明確にした上で、パートナー選定を進めましょう。
まとめ
当記事では、Shopifyパートナー制度の概要や、パートナーの種類、活用するメリット・注意点などを紹介してきました。
Shopify構築や開発の相談をするなら、プロジェクト成功の確率を上げるために、類似のShopifyの事例をたくさん持っているエキスパート・プラスパートナーに相談してみましょう。
※この記事は2024年07月時点の内容です。今後のアップデートやShopifyの仕様変更等により、記事の内容が古くなってしまう可能性があります。
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