Shopifyでオンラインストアを運営する際、規約ページの作成は必須です。この記事では、Shopify管理画面からポリシーページを作成し表示する方法、必要な規約ページの種類、さらには利用規約や返金・配送ポリシーの必要性について解説します。
また、記事の後半では規約文を簡単に作成するためのツールも紹介しています。これらの情報を活用し、安心してショップ運営を行いましょう。
Shopifyで作成可能な規約ページ(■必須)
Shopify管理画面から作成できる規約ページは、下記の5種類。特商法・プライバシーポリシー・利用規約の3つは日本国内でECを運営するなら必須で、残りの2つは場合によっては必要、といった感じです。
- ■特定商取引法に基づく表記
- ■プライバシーポリシー
- ■利用規約
- 返金ポリシー
- 配送ポリシー
1つずつ、解説します。
■特定商取引法に基づく表記
特定商取引法は、消費者を保護する目的で制定された法律で、ECサイトや訪問販売などの商取引を規制しています。この法律は、消費者トラブルが起こりやすい取引を対象にしており、事業者が遵守すべきルールと消費者の権利、例えばクーリングオフなどを定めています。
特定商取引法については消費者庁の公式ページを確認してください。
特定商取引法に基づく表記の雛形
特商法の雛形(テンプレート)は、ネット上で検索すればたくさんありますが、当記事でも紹介します。
販売業者 | 株式会社〇〇 |
---|---|
事業責任者 | 〇〇(個人名) |
所在地 | 〒XXX-XXXX 〇〇県〇〇市〇〇町〇〇 X-Y-Z □□ビル △階 |
電話番号 | XXX-XXXX-XXXX |
連絡先メールアドレス | XXX@yyy.com |
商品の販売価格 | 表示価格は消費税込で注文画面に表示してあります。 |
商品代金以外の必要料金 | 【送料 ※表記金額は税込】 0円~9,999円のご注文:550円(沖縄県・北海道は880円) 10,000円以上のご注文:無料 【代金引換手数料(代金引換をご希望の方のみ)】 0円~9,999円のご注文:330円 10,000円以上のご注文:無料 |
お支払方法 | ・クレジットカード決済(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) ・代金引換(現金のみ) |
お支払時期 | 【クレジットカード決済の場合】 クレジットカードでお支払いの場合は、各カード会社の決済日に準じます。 【代金引換の場合】 商品受け取り時にお支払いただきます。 |
商品の引渡し時期 | 注文時に入力いただいたお届け希望日時に合わせてお届けします。ご指定が無い場合は、12:59までのご注文で最短当日発送、13:00以降のご注文は最短翌日発送となり、発送から1~4日でお届けします。 |
返品・返金・交換 | 【お客様都合による返品・返金・交換の場合】 お客様のご都合による商品の返品・交換、ご注文の返金は承っておりません。 【商品の破損や不良品による返品・返金・交換の場合】 商品の品質には万全の注意を払っておりますが、商品が破損して届いた場合や、お申し込みと違う商品が届いた場合には、送料は弊社負担(着払い)にて返品・返金もしくは交換させていただきます。商品のお受け取り後7日以内に、当ページ記載の電話番号もしくはメールアドレスまでご連絡ください。 |
■申込有効期限 | 期限があるものについては注文画面に表示してあります。 |
■販売条件 | 職人が1つ1つ手作りをしているため、大量生産ができません。商品によっては複数個購入ができない場合がございます。 |
他サイトの参考になりそうな記事も載せておきます。
■プライバシーポリシー
ECサイトのプライバシーポリシーは、企業が取得した個人情報の扱いや管理に関する方針を明示するものです。
法律による作成義務はないものの、個人情報保護法に基づき、特定の情報を公開する必要があるため、多くの企業がこれを作成し公表しています。
サイト利用者に個別に個人情報の取り扱いについて通知しない場合、プライバシーポリシーの作成は事実上必要です。
個人情報保護法については総務省の公式ページを確認してください。
プライバシーポリシーの雛形
プライバシーポリシーの雛形(テンプレート)も、ネット上で検索すればたくさんありますが、当記事でも紹介します。
株式会社〇〇(以下、当社)は、以下のとおり個人情報保護方針を定め、個人情報保護の仕組みを構築し、全従業員に個人情報保護の重要性の認識と取組みを徹底させることにより、個人情報の保護を推進致します。
個人情報の管理当社は、お客さまの個人情報を正確かつ最新の状態に保ち、個人情報への不正アクセス・紛失・破損・改ざん・漏洩などを防止するため、セキュリティシステムの維持・管理体制の整備・社員教育の徹底等の必要な措置を講じ、安全対策を実施し個人情報の厳重な管理を行ないます。
個人情報の利用目的お客さまからお預かりした個人情報は、商品の配送や当社からのご連絡、会員登録情報の保持やご質問に対する回答として、電子メールや資料のご送付に利用いたします。
個人情報の第三者への開示・提供の禁止当社は、お客さまよりお預かりした個人情報を適切に管理し、次のいずれかに該当する場合を除き、個人情報を第三者に開示いたしません。
・お客さまの同意がある場合
・お客さまが希望されるサービスを行なうために当社が業務を委託する業者に対して開示する場合
・法令に基づき開示することが必要である場合
・決済会社での本人確認、請求先確認及び与信調査のため決済会社に個人情報を開示することがございます。
個人情報の安全対策当社は、個人情報の正確性及び安全性確保のために、セキュリティに万全の対策を講じています。
個人情報の開示等についてお客さまがご本人の個人情報の開示・訂正・利用提供の中止などをご希望される場合には、ご本人であることを確認の上、対応させていただきます。開示等をご希望の場合は下記お問い合わせ先までご連絡ください。
法令、規範の遵守と見直し当社は、保有する個人情報に関して適用される日本の法令、その他規範を遵守す るとともに、本ポリシーの内容を適宜見直し、その改善に努めます。
お問い合わせ当社の個人情報の取扱に関するお問い合せは下記までご連絡ください。
株式会社〇〇
〒XXX-XXXX 〇〇県〇〇市〇〇町〇〇 X-Y-Z □□ビル △階
Tel:XXX-XXXX-XXXX
E-mail:XXX@yyy.com
個人情報保護管理者: 〇〇(個人名)
他サイトの参考になりそうな記事も載せておきます。
■利用規約
利用規約ページは、厳密には法的に作成義務はありません。
ただ、利用規約を定めることによるメリットが非常に大きいため、法的な義務はなくても作成するのが通例となっています。
まず第一に、利用規約はECサイト運営者をユーザーからの攻撃から守る盾のような役割を果たします。例えば、ユーザーが運営者の過失を理由に損害賠償を請求する場合、利用規約に設けられた損害賠償責任の限定条項が、運営者の負担を軽減するのに役立ちます。
次に、運営者がユーザーに対して特定の措置を取る必要がある場合、利用規約がその根拠となります。特に、迷惑行為を行うユーザーに対して、ECサイトの利用を禁止するなどの措置を取る際に有効です。
ちなみに、弊社が運営しているECサイトの直近12ヶ月のデータによると、利用規約ページのアクセス数はサイト全体の約0.01%でした。閲覧してもらうためのものではなく、本当に何かあった際のお守りになる、という認識でいましょう。
利用規約の雛形
利用規約の雛形(テンプレート)も、ネット上で検索すればたくさんありますが、例によって当記事でも紹介します。
この利用規約(以下「本規約」といいます。)は、株式会社〇〇(以下「当社」といいます。)がこのウェブサイト上で提供するオンラインショップ(以下「本サービス」といいます。)の利用条件を定めるものです。ユーザーの皆さま(以下「ユーザー」といいます。)には、本規約に従って、本サービスをご利用いただきます。
第1条 (会員)
- 「会員」とは、当社が定める手続に従い本規約に同意の上、入会の申し込みを行う個人をいいます。
- 「会員情報」とは、会員が当社に開示した会員の属性に関する情報および会員の取引に関する履歴等の情報をいいます。
- 本規約は、すべての会員に適用され、登録手続時および登録後にお守りいただく規約です。
第2条 (登録)
- 会員資格本規約に同意の上、所定の入会申込みをされたお客様は、所定の登録手続完了後に会員としての資格を有します。会員登録手続は、会員となるご本人が行ってください。代理による登録は一切認められません。なお、過去に会員資格が取り消された方やその他当社が相応しくないと判断した方からの会員申込はお断りする場合があります。また、未成年の方は保護者(親権者)の同意がなければサービスをご利用いただけません。
- 会員情報の入力会員登録手続の際には、入力上の注意をよく読み、所定の入力フォームに必要事項を正確に入力してください。会員情報の登録において、特殊記号・旧漢字・ローマ数字などはご使用になれません。これらの文字が登録された場合は当社にて変更致します。
- パスワードの管理
- パスワードは会員本人のみが利用できるものとし、第三者に譲渡・貸与できないものとします。
- パスワードは、他人に知られることがないよう定期的に変更する等、会員本人が責任をもって管理してください。
- パスワードを用いて当社に対して行われた意思表示は、会員本人の意思表示とみなし、そのために生じる支払等はすべて会員の責任となります。
第3条 (変更)
- 会員は、氏名、住所など当社に届け出た事項に変更があった場合には、速やかに当社に連絡するものとします。
- 変更登録がなされなかったことにより生じた損害について、当社は一切責任を負いません。また、変更登録がなされた場合でも、変更登録前にすでに手続がなされた取引は、変更登録前の情報に基づいて行われますのでご注意ください。
第4条 (退会) 会員が退会を希望する場合には、会員本人が退会手続きを行ってください。退会希望の旨、下記メールアドレス宛に連絡頂き、弊社にて退会処理を行います。 退会希望の連絡先:XXX@yyy.com
第5条 (会員資格の喪失及び賠償義務)
- 会員が、会員資格取得申込の際に虚偽の申告をしたとき、通信販売による代金支払債務を怠ったとき、その他当社が会員として不適当と認める事由があるときは、当社は、会員資格を取り消すことができることとします。
- 会員が、以下の各号に定める行為をしたときは、これにより当社が被った損害を賠償する責任を負います。
- 会員番号、パスワードを不正に使用すること
- 当ホームページにアクセスして情報を改ざんしたり、当ホームページに有害なコンピュータープログラムを送信するなどして、当社の営業を妨害すること
- 当社が扱う商品の知的所有権を侵害する行為をすること
- その他、この利用規約に反する行為をすること
第6条 (会員情報の取扱い)
- 当社は、原則として会員情報を会員の事前の同意なく第三者に対して開示することはありません。ただし、次の各号の場合には、会員の事前の同意なく、当社は会員情報その他のお客様情報を開示できるものとします。
- 法令に基づき開示を求められた場合
- 当社の権利、利益、名誉等を保護するために必要であると当社が判断した場合
- 会員情報につきましては、当社の「個人情報保護への取組み」に従い、当社が管理します。当社は、会員情報を、会員へのサービス提供、サービス内容の向上、サービスの利用促進、およびサービスの健全かつ円滑な運営の確保を図る目的のために、当社おいて利用することができるものとします。
- 当社は、会員に対して、メールマガジンその他の方法による情報提供(広告を含みます)を行うことができるものとします。会員が情報提供を希望しない場合は、当社所定の方法に従い、その旨を通知して頂ければ、情報提供を停止します。ただし、本サービス運営に必要な情報提供につきましては、会員の希望により停止をすることはできません。
第7条 (禁止事項) 本サービスの利用に際して、会員に対し次の各号の行為を行うことを禁止します。
- 法令または本規約、本サービスご利用上のご注意、本サービスでのお買い物上のご注意その他の本規約等に違反すること
- 当社、およびその他の第三者の権利、利益、名誉等を損ねること
- 青少年の心身に悪影響を及ぼす恐れがある行為、その他公序良俗に反する行為を行うこと
- 他の利用者その他の第三者に迷惑となる行為や不快感を抱かせる行為を行うこと
- 虚偽の情報を入力すること
- 有害なコンピュータープログラム、メール等を送信または書き込むこと
- 当社のサーバーその他のコンピューターに不正にアクセスすること
- パスワードを第三者に貸与・譲渡すること、または第三者と共用すること
- その他当社が不適切と判断すること
第8条 (サービスの中断・停止等) 当社は、本サービスの稼動状態を良好に保つために、次の各号の一に該当する場合、予告なしに、本サービスの提供全てあるいは一部を停止することがあります。
- システムの定期保守および緊急保守のために必要な場合
- システムに負荷が集中した場合
- 火災、停電、第三者による妨害行為などによりシステムの運用が困難になった場合
- その他、止むを得ずシステムの停止が必要と当社が判断した場合
第9条 (サービスの変更・廃止) 当社は、その判断によりサービスの全部または一部を事前の通知なく、適宜変更・廃止できるものとします。
第10条 (免責)
- 通信回線やコンピューターなどの障害によるシステムの中断・遅滞・中止・データの消失、データへの不正アクセスにより生じた損害、その他当社のサービスに関して会員に生じた損害について、当社は一切責任を負わないものとします。
- 当社は、当社のウェブページ・サーバー・ドメインなどから送られるメール・コンテンツに、コンピューター・ウィルスなどの有害なものが含まれていないことを保証いたしません。
- 会員が本規約等に違反したことによって生じた損害については、当社は一切責任を負いません。
第11条 (本規約の改定) 当社は、本規約を任意に改定できるものとし、また、当社において本規約を補充する規約(以下「補充規約」といいます)を定めることができます。本規約の改定または補充は、改定後の本規約または補充規約を当社所定のサイトに掲示したときにその効力を生じるものとします。この場合、会員は、改定後の規約および補充規約に従うものと致します。
第12条 (準拠法、管轄裁判所) 本規約に関して紛争が生じた場合、当社本店所在地を管轄する地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とします。
分かりやすく作成されている利用規約ページを何個か紹介します。
繰り返しになりますが、残り2つ(返金・配送ポリシー)のページは、日本国の法律上は作成必須ではありません。自社のブランドやユーザーの利便性などを総合的に考慮した上で、作成するかどうか検討しましょう。
返金ポリシー
もし返金ポリシーをつくるなら、基本的に特商法ページに記載されている項目(返品・返金・キャンセル等)を部分的に抜粋~調整するだけで問題ないです。
実際に作成されている返金ポリシーページをいくつか紹介します。
配送ポリシー
もし配送ポリシーをつくるなら、基本的に特商法ページに記載されている項目(商品の引渡し時期等)を部分的に抜粋~調整するだけで問題ないです。
実際に作成されている配送ポリシーページをいくつか紹介します。
Shopifyで規約ページを作成~表示する方法
Shopifyの管理画面から規約ページを作成~ストアに表示させるまでの流れを画像付きで解説します。
管理画面からポリシーページを作成する
管理画面トップ左下の歯車マーク「設定」を押すと表示されるサイドバー下あたりの「ポリシー」をクリックして開きます。
今まで紹介してきた5つのポリシーページを入力できる項目が表示されます。
「連絡先情報」という謎の項目がありますが、日本国内でECをやる分には関係ないので、空欄のままでOKです。
↓この動画を参考に、自社に合った内容を入力して保存しましょう。
作成したポリシーページを表示する
必要なポリシーページを作成できたら、ストアに表示させるための設定を行います。
ポリシーページはフッターに表示させることが多いので、この記事でもフッターに表示させる流れを解説します。
管理画面トップの左サイドバー「オンラインストア」→「メニュー」→右側に表示される「フッターメニュー(Footer menu)」をクリックして開きます。
「メニュー項目を追加する」→右側に表示されるサイドバーの検索バーをクリック→「ポリシー」を選択すると、先ほど保存したポリシーページが選択できます。
「追加する」を押して追加~保存します。
サイトを確認してみましょう。フッターに表示されていれば、成功です。
返金・配送ポリシーの必要性
どんな場合に返金・配送ポリシーを作成するべきかを解説します。
外部ツールとの連携時に必要な場合がある
例えば、ShopifyとGoogleを連携させるためのGoogle純正アプリをShopifyにインストールして設定する時、そのGoogleアプリから「返金ポリシー」と「利用規約」の作成を求められます。
こんな感じで、使用するアプリやツールによっては、返金・配送ポリシーページを作成する必要が出てきます。
まとめ
この記事では、Shopifyを使用してオンラインストアの規約ページを作成する方法・特定商取引法に基づく表記、プライバシーポリシー、利用規約、返金ポリシー、配送ポリシーの作成から表示までの手順を詳しく解説しました。
Shopifyを活用し、効果的な規約ページを設定することで、スムーズで安心なオンラインショッピング体験を提供しましょう。
※この記事は2024年07月時点の内容です。今後のアップデートやShopifyの仕様変更等により、記事の内容が古くなってしまう可能性があります。
\ShopifyでEC構築を検討中の方へ/
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百聞は一見に如かずといいますが、ネット上で情報収集するよりも、実際にShopifyに触れるほうが何倍も効率が良いでしょう。
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