豊富なテンプレート(テーマ)やアプリを使って誰でも簡単にECサイトを構築できる「Shopify」。デザイン性の高さがShopifyの魅力の1つではありますが、どんなテーマを選べば良いかわからない、といった悩みを持つ担当者様も少なくありません。
そこで今回は、Shopifyテーマの基礎知識や選び方、おすすめテーマを事例つきでご紹介します。この記事を参考に、自社に合ったテーマを選んでみてください。
Shopifyテーマの概要
Shopifyテーマとは
Shopifyテーマとは、全世界170万ストアで利用されているEC構築プラットフォーム「Shopify」で使われているデザインテンプレートを指します。
デザインテンプレートとはいっても、カートに追加したり商品を絞り込んだりなど、ECサイトに必要な機能はデフォルトで持っているため、プログラミングができなくても簡単にECサイトを作ることが可能となっています。
無料・有料のテーマが準備されており、Shopifyが公式に運営しているShopifyテーマストアからそれぞれインストールすることが可能です。
非公式でShopifyテーマを開発~独自販売している個人エンジニアや企業もいますが、特に大きな理由がない限り、公式のテーマストアから選びましょう。
無料版と有料版の違い
無料と有料のテーマがある、と述べましたが、その違いが気になる方も多いでしょう。
基本的な違いは「①デザインが洗練されているかどうか」と「②テーマ独自の機能を持っているかどうか」だと考えてもらってOKです。
①のデザインに関してですが、これはみてもらった方が早いので、下記リンクを確認してください。
有料版は無料版と比較して、画面読み込み・スクロール・ハンバーガーメニュー開閉時時のアニメーションが滑らかだったり、ヘッダーのアイコンがおしゃれだったりと、デザイン面で優れていることがわかると思います。
※スマホ表示も確認してみてください
②のテーマ独自の機能ですが、有料版は無料版テーマと比較して、下記のような機能を持っている場合があります。
複数のテーマスタイル
1つの有料テーマの中に、さらに複数のスタイルを準備してくれているテーマもあります。ページごとにテーマスタイルを変えることはできないので、最終的に1つに絞る必要はありますが、よりブランド・商品に合ったページ作成が可能です。
年齢認証機能
年齢認証機能は、年齢制限のある商品やコンテンツを扱う際に便利です。訪問者がサイトにアクセスすると、まず年齢を確認する画面が表示されます。これにより、法的な問題を回避しつつ、年齢に応じた販売や情報提供が可能になります。設定は簡単で、サイトの雰囲気に合わせて見た目をカスタマイズすることもできます。
「トップに戻る」ボタン
「トップに戻る」ボタンは、ユーザビリティを高める便利な機能です。長いページをスクロールしているとき、このボタンをクリックするだけでページの一番上に戻ることができます。特に商品リストや長いコンテンツがあるページで役立ちます。デザインもシンプルで、サイトのスタイルになじみやすく、ユーザーにとっても使いやすいです。
パンくずリスト
パンくずリスト機能は、ユーザーが「ホーム > カテゴリ > 商品名」のようにサイト内の現在位置を把握できるようにします。これによりナビゲーションが容易になり、SEO効果も期待できます。
カラースウォッチ
カラースウォッチ機能は、商品ページで色のバリエーションを示し、顧客が一目で好みの色を選べるようにします。これにより、オンラインショッピングの体験が向上し、商品の魅力が効果的に伝わります。
カウントダウンタイマー
キャンペーン期間や新商品販売開始までの時間をユーザーにお知らせできる機能です。カウントダウンなので当たり前ですが、ちゃんと1秒ごとに秒数が減っていくので、ユーザーに臨場感を与えることができます。
イベントカレンダー
イベントカレンダー機能は、セールや新商品発売などの特別イベントを簡単に表示します。顧客はこのカレンダーでイベントの日付と詳細を一目で確認でき、カレンダーのデザインは店舗のスタイルに合わせて調整可能です。
クイックビュー
クイックビュー機能は、商品を迅速に確認できる便利なツールです。商品リストから直接、商品の詳細ページを開かずに重要な情報を一覧表示し、ショッピング体験をスムーズにします。
在庫カウンター
在庫カウンター機能は、商品の残り在庫数をリアルタイムで表示します。これにより顧客は人気商品の在庫状況をすぐに確認でき、購入の決断を促進します。
ストアロケーター
ストアロケーター機能は、顧客が最寄りの店舗を簡単に見つけられるようにします。地図上に店舗の位置を表示し、店舗へのアクセス方法や営業時間などの情報も提供します。
以上、有料テーマと無料テーマの違いを解説しました。
【補足】
無料テーマはShopify公式が、有料テーマはShopify以外のベンダーが開発~販売しています。自社が開発したテーマを買ってもらえるように、無料テーマに負けないようなデザイン・機能を搭載していることが多い、という感じです。
Shopifyテーマのお試しインストール方法
はじめてShopifyを触る人向けに、自社のShopifyストアにお試しで有料テーマをインストールできる機能が提供されています。
お試し中でも画像やテキスト、色などの設定は可能なので、まずは色々インストールしてみて、テーマのことを知ってみるのも良いでしょう。
下記、お試しインストールの流れについて解説しています。
Shopifyアカウントの取得
※すでにShopifyストアを持っている場合は、このステップはとばしてください。
現在Shopifyはキャンペーン中で、登録してから3日間は無料、その後も3ヶ月は月間1ドルで使えるので、ほぼ無料レベルで移行を進められます。登録に必要なメールアドレスと1ドルを支払うためのクレジットカードを準備しておきましょう。
※プランも選ぶ必要があります。1ドルで使えるとはいえ、変更忘れが怖いので、特に理由がなければ、一番安い「ベーシック」を選んでおきましょう。
登録が完了すると、↓こんな感じの管理画面が表示されるはずです。
テーマストアからテーマをインストール
インストールするだけならお金はかからないので、ちょっと練習してみましょう。
このページにアクセスして、下記画像赤枠内の「テーマを試す」を押して自分のShopifyストアにテーマをインストールしてみてください。
↓こんな感じに表示されたら成功です。
↓「カスタマイズ」からデザインを変更したり、「プレビュー」で実際の画面を表示することができるので、確認しておきましょう。
インストールするだけなら無料なので、色々なテーマをインストールしてみて、どのテーマを使うかをある程度確定しておきましょう。
Shopifyテーマの選び方
Shopifyテーマの概要やお試しインストールについて知れたところで、具体的なテーマ選びのポイントをみていきましょう。
私が考えるShopifyテーマ選びのポイントは、下記の3つです。
- 無料・有料のどちらにするか
- 日本語訳に対応しているかどうか
- スマホ時のデザインが合っているかどうか
1つずつ解説します。
無料・有料のどちらにするか
まず最初に考えるべきは、無料テーマか有料テーマのどちらを選ぶかです。無料テーマは初期コストがかからず、基本的な機能を備えています。一方、有料テーマはより高度なカスタマイズや独自の機能を提供し、ブランドの特徴を際立たせることができます。予算と必要な機能を照らし合わせて選びましょう。
予算をかけて外部の制作会社に依頼する場合は、シンプルで開発しやすい無料テーマの方が良い場合もあります。
日本語訳に対応しているかどうか
日本市場をターゲットにしている場合、テーマが日本語に対応しているかは重要です。多くのテーマは英語が基本ですが、日本語訳が利用可能かどうかを確認しましょう。日本語に対応していれば、顧客にとって使いやすいサイトになります。
手動で日本語に翻訳することも可能ですが、工数が余計にかかってしまうため、最初から日本語訳されたテーマを選ぶ方が無難です。
スマホ時のデザインが合っているかどうか
一般的なECサイトの主要ユーザーの端末はスマートフォンです。そのため、スマホ表示時のデザイン・UIがそのブランドの世界観に合っているかどうかは非常に重要です。スマートフォンやタブレットでの見た目や使い勝手が良いかを確認しましょう。
テーマストアやShopify管理画面から、スマホ表示を確認することが可能です。
【テーマストア】
【Shopify管理画面】
無料Shopifyテーマの一覧
無料で提供されているShopifyテーマを一覧で紹介します。
- Dawn:製品画像を主役にするミニマルなテーマ。
- Refresh:製品の品質とブランドのストーリーテリングを高める大胆なテーマ。
- Craft:クラフトマンシップを讃える洗練されたテーマ。
- Sense:広範な製品詳細レイアウトを特徴とする活気に満ちたテーマ
- Ride:スポーツの世界を擁護する、独特でダイナミックなテーマ。
- Origin:ユニークな商品を販売するメーカー向けに設計されたスタイリッシュなテーマ
- Studio:アーティストやコレクションに特別なこだわりを持ったスタイリッシュなテーマ
- Taste:特産品や大胆なブランディングに最適
- Publisher:独立したスタジオや出版社からインスピレーションを得た前衛的なテーマ。
- Crave:外出先でのショッピングに最適化された目を引くテーマ。
- Colorblock:ハイエンドファッションに最適な印象的なテーマ
- Spotlight:すぐに販売を開始できるように設計された合理的なテーマ。
2024年1月時点では、無料テーマは12点提供されています。有料テーマとの違いは先述した通りですが、無料テーマはShopify公式が作成&サポートしている、というメリットもあるのを覚えておきましょう。
【業界別】おすすめの有料Shopifyテーマ
私的におすすめな有料Shopifyテーマを業界別に紹介します。
実際のその業界でそのテーマを導入しているShopifyサイトも記載しているので、参考にしてください。
食品・飲料品
Venue
「Venue」テーマは、洗練されたデザインが特徴のShopifyテーマで、使い勝手が良く柔軟です。迅速な販売促進を可能にするクイックショップ機能が搭載されており、手軽にプロフェッショナルなオンラインストアを構築できます。
Prestige
テーマストア |
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Prestige |
導入サイト |
BLUE BOTTLE COFFEE |
「Prestige」テーマは、ブランドの特徴を引き立てる洗練されたデザインが魅力です。このテーマの「ショップ・ザ・ルック」セクションでは、商品を中心に据え、多角度からの画像と詳細な説明を提供します。また、関連商品の小さな表示もあり、顧客の購入促進(アップセル)につながります。さらに、実店舗との連携も可能です。
アパレル
Symmetry
テーマストア |
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Symmetry |
導入サイト |
Chocolate Jesus |
「Symmetry」テーマは、多様なニーズに対応する豊富でスタイリッシュなオプションを提供します。サイズや価格に加え、形状によるフィルタリングも可能です。また、実店舗との統合により、効果的な販売が実現できます。
Impulse
「Impulse」テーマは、魅力的な商品展示で顧客の購買意欲を刺激します。サイト内での自由な商品閲覧が可能で、特にサイズや価格のフィルターがサイドバーに固定されているため、設定を変更しながら商品一覧を快適に探索できます。また、クイックビュー機能を通じて気になる商品のセールスポイントに簡単にアクセスし、一覧ページへの戻りもスムーズです。
Motion
テーマストア |
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Motion |
導入サイト |
VOGUE JAPAN |
「Motion」テーマは、ブランドや商品のストーリーテリングのためにデザインされています。アニメーションやビデオを使って、動きのある表現が可能です。軽量でありながら、モバイルに最適化された動きの特徴を備えており、どんなデバイスでも素晴らしいパフォーマンスを発揮します。
インテリア・雑貨
Empire
「Empire」テーマは、市場にインスパイアされた柔軟で敏捷性のあるテーマで、商品の発見、比較、そして転換を最適化する強力なツールを備えています。アプリレベルの機能を提供し、マーチャンダイジング、アップセリング、クロスセリングを増加させるのに最適で、あなたのブランドやビジネスモデルに理想的です。
Pipeline
「Pipeline」テーマは、高級ブランドに最適なスタイリッシュで多機能なデザインを提供します。モバイルユーザーに焦点を当てた設計で、ドラッグ&ドロップ機能により簡単にウェブサイトを構築できます。また、実店舗との連携による商品販売もサポートしています。
Broadcast
テーマストア |
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Broadcast |
導入サイト |
東京香堂 Tokyo-Grasse |
「Broadcast」テーマは、メディアとストーリーテリングに焦点を当てた店舗向けにデザインされたプレミアムテーマです。商品、コレクション、ブログ投稿を紹介するためのセクションを含むカスタマイズ可能なホームページや、ビデオやマルチメディアコンテンツ用のセクションが特徴です。このテーマには、商品のクイックビューオプション、全てのデバイスで素晴らしく見えるレスポンシブデザイン、人気のShopifyアプリとの統合オプションが含まれています。
健康・美容
Capital
「Capital」テーマは、大量の商品を効果的に展示するために設計されています。画像、動画、詳細な説明を用いて商品の魅力を際立たせることができます。また、枠を使わない画像レイアウトにより、商品を目立たせることがこのテーマの特徴です。
Context
テーマストア |
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Context |
導入サイト |
It’s so easy |
「Context」テーマは、大規模なカタログ向けに設計されたShopifyテーマです。直感的なユーザーエクスペリエンスと強力な機能を提供し、顧客がサイトを迅速にナビゲートできるようにします。Contextはモジュラーデザインを採用しており、3つの組み込みプリセットスタイルと高度に設定可能なセクションを提供しています。
スポーツ
Modular
テーマストア |
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Modular |
導入サイト |
イナーメ・スポーツアロマ |
「Modular」テーマは、顧客を引き付けるための魅力的で使いやすいデザインレイアウトとアニメーションを提供します。ダイナミックチェックアウト、カラースウォッチ、再入荷通知、クイックビューなどの販売転換機能もユーザーエクスペリエンスを向上させます。これにより、製品の販売に集中しながら、箱から出してすぐに美しい外観を提供することができます。
ペット用品
Envy
「Envy」テーマは、商品の画像に焦点を当てたクリーンでモダンなデザインが特徴で、商品やコレクションを紹介するためのカスタマイズ可能なセクションが含まれています。このテーマには、商品のクイックビューオプション、レスポンシブデザイン、および人気のShopifyアプリとの統合オプションが含まれています。
Showcase
「Showcase」テーマは、インパクトのあるデザインのための強力なツールを提供し、証言、画像・ビデオギャラリー、ポップアップなど20種類のドラッグアンドドロップセクションを含んでいます。また、高度な商品フィルタリング、柔軟なセクション、コンバージョンに焦点を当てたプロモーションツール、シームレスなビデオ統合を特徴とし、プレミアムなショッピング体験を提供します。
まとめ
この記事では、Shopifyテーマの基本から、どのようにして自分に合ったテーマを選ぶか、さらに業界別のおすすめ有料テーマまで詳しく解説しました。
Shopifyテーマは、無料版と有料版の違い、日本語対応、スマホ対応など、さまざまな要素を考慮して選ぶことが大切です。テーマ選びはオンラインストアの顔とも言える重要な部分。このガイドが、あなたのビジネスに最適なShopifyテーマを見つける手助けとなれば幸いです。次は、あなたの理想のテーマを選び、素晴らしいオンラインストアを作り上げましょう。
※この記事は2024年07月時点の内容です。今後のアップデートやShopifyの仕様変更等により、記事の内容が古くなってしまう可能性があります。
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百聞は一見に如かずといいますが、ネット上で情報収集するよりも、実際にShopifyに触れるほうが何倍も効率が良いでしょう。
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